こんにちは、製材部の栁田航冴です。
今回はとある『加工方法』の紹介をしようと思います。
先日、施工現場を訪れた時、玄関に気になるものが施工されていました。
玄関土間に取り付けられた式台ですね。
しかし、気になるのはその表面。
これは『なぐり加工』と呼ばれる加工方法で、一般的な平たい仕上がりとは異なり、波のような凹凸の加工が特徴となっています。
上記の写真では、なぐり加工された式台に漆が塗られています。
古くから日本建築において門扉等の門材や垣、濡縁、腰板などに使われ、和式だけではなく、洋式の建物にも取り入れられています。
一目で手間の入ったかっこいい仕上がりだとわかります!
この加工の良さは、凹凸により足裏に心地よい感覚を得ることができ、滑りにくくなるといった特徴もあります。
なぐり加工は『釿(ちょうな)』と呼ばれる道具を使って加工します。
くわのような形状をした道具で、大工道具の化石と言われており、その起源は石器時代まで遡るそうです。
長い歴史のある日本の伝統工法ということですね……。
今では、時の流れと共に職人さんの数が減っているのが現状です。
なぐり加工だけでなく、日本の伝統工法や伝統工芸は衰退せず受け継がれていかなければと感じます!
内保製材では、橘商店さん(大阪市)に加工をしていただいております。
橘商店さんは、日本でも数少ないなぐり加工を行われている会社です。
式台だけでなく、化粧柱や階段の踏板など数多くの部材の加工を行っておられます!
ホームページでは、なぐり加工についてなど興味深い内容が盛りだくさんなので、下記から是非ともご覧ください!
そんななぐり加工ですが、暮らしギャラリーふくらの杜の土間式台にも施されています!
弊社にお越しくださったお客様にも足触りの良さを感じて頂けているのかなと思っています。
お客様の中には、この足触りの良さから、なぐり加工の式台を選んでくださる方もおられます!
もしお越しくださった際には、なぐり加工の式台に目を向け、その肌で脚触りを体感してください!