こんにちは、カスタマーサポートの藤です。
毎日うだるような暑さですね…。暑いのは苦手な私、7月でこれだけ暑くて8月はどれだけ暑くなるんだろう、と恐ろしくなります…。
こまめな水分補給とミネラル補給で何とかこの夏を乗り切りたいです。
さて、前回のブログ> 無垢の木のお手入れ方法は?で予告していた「アルカリ性の汚れ」についてお話します。
無垢の木のお家にお住まいの方にもこれから住まわれる方にも、ぜひ知ってほしいことがあります。
無垢の木だからこそ起こる変色があるんです。そして、その一つが「アルカリ性の汚れ」です。
何で無垢の木だと起こるの?どんな変色?
詳しくお話していきますね!
1.無垢の木で変色が起きる理由
木には「タンニン」という成分が含まれていますが、このタンニンと特定の物質が反応することで急激な変色が起きてしまいます。
以前、お客様のところへ訪問した時に「漆喰の粉がこぼれてしまったので水拭きしたら黒っぽくなってしまって、慌ててメラミンスポンジで汚れを落としました」というお話をお聞きしました。
漆喰は強いアルカリ性の物質です。乾いた粉の状態で木に触れても変化はないのですが、水で濡れた時にアルカリの成分が溶け、タンニンと反応して変色してしまいます。
なぜ急に色が変わってしまったのか、理由がわかると少し安心しますよね。
タンニンと反応してしまう物質はいくつかあります。実験を交えて紹介していきます!
2.アルカリ性の汚れ
先程のお客様のところでは漆喰のアルカリ性に反応していましたが、普段の生活の中にもお掃除に使うものにはアルカリ性のものが多くあります。
例えば、石けん水・漂白剤・重曹・セスキ炭酸ソーダなど。
どのように変色するか、実験してみますね。
今回使ったのはキッチン用漂白剤です。
桧のフロアと杉のフロアにそれぞれつけてみます。
赤丸で印をしている部分が漂白剤をつけた部分です。
桧のフロアは黄色茶けて、杉のフロアは褐色に変色してしまいました。
変色の程度が違うのはそれぞれのタンニンの量が異なるため。杉の方が桧よりもタンニンを多く含んでいるため、反応が強く出ています。
桧だと「色がちょっと違うな」程度ですが、杉の変色を見たらぎょっとしますよね。
この変色、簡単な方法で薄くすることができます。
理科の授業で習った「中和」。「酸とアルカリが互いの性質を打ち消しあう反応」のことですが、この中和を木の変色にも活かすことができるんです。
酸性のものということで普段は酢をご紹介していますが、においがきつく気になる方も多いはず…なので、今回は無臭のクエン酸で実験してみます。
クエン酸も「酸」という漢字がついているので酸性です。
クエン酸を雑巾に染ませて変色した部分をこすってみます。
桧のフロアは変色がわからなくなりました。
杉のフロアは色が薄くなりましたが、まだまだ目立つ…。
何度か試してしばらく時間を置くと、しっかり薄くなってくれました。
市販のクエン酸洗剤はクエン酸の濃度が調整されているんでしょうね、酢に比べると時間がかかるな、といった印象でした。
においが気になる方はクエン酸洗剤、早く済ませたい時は酢、など使い分けしていただいてもいいかもしれません。
酢はにおいが気になりますが、揮発性があるのでしばらくしたらにおいはなくなります!
3.酸性の汚れ
アルカリ性の汚れの時に中和するために使った酸性ですが、酸性もタンニンと反応します。
酢程度の酸性なら反応は起こらないのですが、強酸性のものがつくと変色を起こしてしまいます。
例えば、トイレ用洗剤は強酸性の洗剤です。
桧のフロアと杉のフロアで実験、トイレ用洗剤を落として少し放置してからぬぐい取ります。
少しくすんだ色に変色していますね…
この変色を薄くする時にも中和を使います。強いアルカリ性のものをつけると中和を通り越してアルカリ性の汚れになってしまうので、濃度を調整します。
水にキッチン用漂白剤を溶かし、様子を見ながら綿棒で変色した部分につけていきます。
変色は薄くなりましたが、濃度の加減が難しくて「しっかり薄くなった!」とまではいきませんでした…
4.金属の汚れ
タンニンと反応してしまうもの、最後は金属です。
いろいろな金属がありますが、中でも鉄とタンニンが反応すると黒く変色します。
乾いた状態であれば問題ないのですが、濡れたり水気がある状態で長時間接していると変色が起きてしまいます。
シュウ酸という薬品を使うと変色を薄くすることができるようなのですが、劇物扱いとなっていて薬局にもあまり常備されていないとのこと…また機会があれば実験してみようと思います。
大切な無垢の木のお家、木の色が急に変わっていたらビックリしますよね。
でも、今回お伝えしたように「なぜ変色したか」がわかればしっかりと対処できます。
「何を置いていたかな?」「何をしていたかな?」思い返せば原因がわかりますし、「水気のものを近づけないようにしよう」と気をつけることもできます。
仕組みがわかれば怖くありません、ぜひ普段の生活やお手入れに役立ててください。
また、わからないことや対処に困ることがあれば、お気軽にご相談くださいね!