梅雨が明け、毎日うだるような暑さが続きますね…皆さんくれぐれも熱中症にはお気をつけください。
今回はこのような夏の暑さや、冬の寒さにまつわるお話を。
先日、内保製材ふくらの杜を舞台とした、「MOKスクール」主催の温熱改修・温熱ワークショップが開催されました。
「MOKスクール」とは…
まっとうな木造建築を普及させるための勉強の場
1995年阪神淡路大震災において多くの木造建築が倒壊し、沢山の犠牲者が出ました。
木造住宅を根本から見直さなければならないと強く感じ、木造住宅に関わるつくり手たちの、特に木構造のレベルを上げないといけないと考えた地元有志の方が集い、木構造や木質材料の先進的な研究者を読んで勉強する場を作ったのがMOKスクールです。
今回はMOKスクールのクラブ活動で、築10年経った「ふくらの杜」の温熱・エネルギー改修案を考えるといった内容。
建築家の三澤文子さんがコーディネーター、講師は岐阜森林文化アカデミーの辻充孝さんです。
先ずはオフグリッドモデルハウス「響の杜」の見学と、システム概要の説明です。
アドバイザーの斎藤さんが、モデルハウスの実証実験結果を発表されました。とても解り易くまとめられた内容で、参加者の皆さん、興味深く熱心に聞き入ってられます。
場所は変わって「ふくらの杜」。
温熱・エネルギー改修案を検討すべく、建物の気密測定やサーモ実測を行います。
(サーモ画像の赤色は、外部からの熱が室内面に伝わり温度が上昇している部分になります。)
先の実測を踏まえ、建物の現状分析と課題の抽出を行います。
10年前の建物になりますので、どうしても現行基準よりも性能が落ちるのは否めませんが、
その当時の省エネ基準は十分に満たせていることがわかりました。
その反面、開口部(木製製作建具)の気密不足、屋根面の断熱など不安要素がみつかり…
現行基準まで性能を上げるとするならば、どのような断熱改修が良いのか?と参加者全員で検討します。
壁、屋根に断熱補強を行い、木製建具の気密対策を行うことで現行の基準まで性能が上がることを確認できたのですが、全面改修しようとすると費用的にかなりの負担が生じます…
辻先生曰く、そのような時にはゾーニング改修(エリアごとに断熱改修)も有効とのことでした。
とても学びの多かった今回のワークショップ、今後のリノベーション案件などに活かせる感じがします。
三澤先生、辻先生、ありがとうございました!
まっとうに仕事をすること。
まっとうな仕事、それ自体が、木の建築をつくる仕事の種になるように…