三月も終わりに近づき、桜の蕾も色づいてきました。
もう一年の四分の一が過ぎようとしています…早いです。
そうそう、来月末には10連休が控えてますね。皆さんお出かけの予定はありますか?
先月、長野県へ行く機会があったので、その時に訪れた場所をご紹介したいと思います。
長野県はエリアが広く、松本城で有名な「松本」、善光寺で有名な「長野」、避暑地で有名な「軽井沢」など
色々なお出かけスポットがあります。
今回訪れたのは諏訪大社(上社)で有名な茅野市にある、とある史料館をご紹介します。
建築に携わる方には有名な場所で「神長官守矢史料館」
史料館の他にも、とても愉快な建物が建っています。
設計者は「藤森照信」氏、名前を聞いてピーンときた方いらっしゃいますか?
そうです、地元滋賀にも設計された建物があります。 名前は「ラコリーナ近江八幡」。
自然素材はもとより、自然そのものを取り入れ、古来の技術をによって生み出される建物は独創的、
とても不思議な感覚で「ジブリ」の世界感のようです。
茅野市は藤森氏の地元、この史料館の近所にお住まいだったようで、
史料館の他に三つの茶室を見学することができます。(茶室は藤森氏所有のようです)
こちらが「神長官守矢史料館」
「神長官」とは諏訪大社上社の神に仕える職の長のことで、この長官を中世~明治まで代々勤めた
家柄が「守矢家」です。この史料館は守矢家の敷地内にあり、神事などにまつわる資料や、古文書などを
展示保存されています。
1991年に完成したこの史料館は、藤森氏の処女作で建物はもちろん、史料など展示品もとても見応えがあるものです。
屋根から飛び出した四本の柱は地元産の「イチイ」の木が使われており、諏訪大社の「御柱祭」の御柱を
イメージされたもののようです。
つづいて中に入ってみると…
中に入るとまず目を引くものが…75頭の鹿と猪の剥製。(少しグロテスクな感じです)
諏訪神社の鹿や猪を生贄にした神事「御頭祭」の復刻展示も行われています。
土塗りの内部はとても落ち着いた雰囲気で、建物内部から次に紹介する建物をみることができます。
続いて三つの茶室のご紹介…
写真上のツリーハウスのようなものが「高過庵」、下の三角屋根が「低過庵」。
茶室にしては「高すぎる」「低すぎる」位置にあることから名づけられたようです。
史料館近くの畑の中にあり、案内板を頼りに探してみてください。外部からの見学は自由に楽しめますが、
内部は基本非公開になります。(もっとも、どうやって入るのか…)
因みに「高過庵」は雑誌Timeで、世界でもっとも危険な建物トップ10として選出されたそうですよ。
地上6メートルの高さで頂くお茶はさぞかし美味しいんでしょうね。
対極する「低過庵」は半分土に埋まった竪穴式茶室。
こちらは籠った感じで、低い天井の好きな方にはたまらないのではないでしょうか。
(実は屋根が手動でスライドするそうです!野点のお茶も楽しめるとは…)
そして最後の一つ…
「空飛ぶ泥船」
こちらは「建物を空に浮かせたい」という藤森氏の念願を叶えた茶室。
左右非対称でフグのようでとても愛嬌がある形です。
左右からワイヤーでハンモックのように吊るされていますが、
本当に空に浮いているよう…このままゆっくりと空を飛んでいきそうです。
(こちらも内部は非公開になり、外部からの見学になります)
いかがでしたか?
藤森氏の設計された建物は全国に40ヵ所ほど…どれも愛嬌があり、実際に目のまえにした時の
感動はひとしおです。
GWを利用して訪れてみてはいかがでしょうか。
「神長官守矢史料館」
長野県茅野市宮川389-1
休館日 月曜日・祝日の翌日・年末年始
http:/www.city.chino.lg.jp/www/contents/1000001465000/