設計の飯尾です。
今年は雪も少なく過ごしやすいですね、春が待ち遠しいです。
春になると草木が芽吹き、花が咲き、暖かな陽気の中でお出かけするのも良いですね。
京都桂川の畔に佇む建物があります。桂離宮。
先月、見学に行く機会があったのでご紹介したいと思います。
およそ400年前に、八条宮智仁親王が造った別荘。
20世紀を代表するドイツ建築家「ブルーノ・タウト」が
「それは実に涙ぐましいまで美しい」と絶賛した、世界的にも評価の高い名園です。
広大な回遊式庭園で、池を中心として書院や茶室が配されています。
その日はちょうど冬の雨上がりの晴れ間で、薄靄がかかりとても幻想的でした。
左手前の建物が「松琴亭」、奥に見えるのが「古書院」。
藍色市松模様の床の間と襖が有名な「松琴亭」。
江戸時代に考案された事を考えると、とても斬新で大胆な感覚です。
最初に建築された「古書院」。
奥へと後退させながら連続して増築されており
どの建物からも庭を愉しめるように工夫されています。
自然の海や川を模した池の造りは、水際に曲線を付けたり、直線の美しさを見せたり…
敷石も自然のままの石の美しさを愉しんだり、切り出して変化を付けたり。
高い生け垣を抜け、橋を渡るたびに新しく広がる風景。
全体が一望できないように造られていて、
次に見えるはずの風景が巧みに隠され、新たな風景が突然視界に入ってくる「閉ざして開く」
仕掛けが特徴の一つです。
こちらは真直ぐな通路から橋が少しずらされて配されています。
わざとずらすことで視界を斜め方向に向けさせたり、奥まで見通させないなど
日本庭園では良く使われる手法です。
桂離宮には足元及びませんが、私たちの家づくりでも色々な設計手法を
取り入れながらご提案しています。(設計手法はないしょで…ご提案の折に)
日々が勉強で、色々な「もの」を観て、触れて感性を高め、
暮らす人に寄り添った提案が出来るようにこれからも精進したいと思います。